県生協連からのお知らせ

2015年度千葉県生協連政策検討会が開催されました

 12月10日、京葉銀行文化プラザ会議室で、千葉県生協連2015年度政策検討会が開催され、8会員生協と県連事務局、日本生協連関係者などを合わせて58名が参加しました。今年度の政策検討会は、「高齢化社会にふさわしい地域づくりと生協の役割りについて」をテーマに、以下のプログラムで開催されました。

10:00~10:10
開会、会長理事あいさつ
10:10~11:45
講演 「超高齢社会を見据えた地域づくりと介護保険法改正に伴う新しい地域支援事業の展開」
 
講師 木村清一 氏(東京大学 高齢社会総合研究機構 学術支援専門職員)
11:45~11:55
休憩
11:55~12:20
報告 「『新地域支援事業』および『SSK』に関する委員会の活動経過と今後の課題について」
報告 千葉県生活協同組合連合会専務理事 丸山芳高
12:20~12:55
昼食および休憩
12:55~14:30
会員生協からの報告と意見交換
パネルディスカッション方式で、会員生協から地域づくり・新地域支援事業・SSKなどに関する取り組みについて報告いただき、質疑を含めて意見交換をおこないました。
講師の木村先生に助言者として参加していただきました。
14:30~14:35
閉会

東京大学木村先生の講演要旨

 講演のはじめに、木村先生は、日本は高齢化で世界のトップランナーとなっており、特に都市部で高齢化が急増していくこと、高齢者の入院が増加し在宅医療が不可欠になってくること、団塊の世代が地域社会の担い手として活躍できる仕組みが重要なことなどをデータに基づいて詳しく説明し、目指すべき地域社会のモデルは、私たちが足元の地域で創造していくしかないと指摘しました。続いて、自らが関わってきた、柏市・UR都市機構・東京大学の連携による「柏プロジェクト」でのこうした課題への実践的な取り組みについて紹介しました。

 介護予防・日常生活支援総合事業については、仕組みのポイントについて説明し、この事業が将来的な「地域包括ケアシステム」を構築していく上で、核となる「医療と介護の連携」と共に不可欠な事業であること、単なる事業としてすすめるのではなく、「超高齢社会にふさわしい地域づくり」として進めていく必要があることを強調されました。柏市の保健福祉部長時代からの様々な実践をもとにした熱意あふれるお話しは参加者を魅了し、今後の取り組みについての多くの貴重な示唆に富む講演となりました。

会員生協からの報告と意見交換

 会員生協からの報告と意見交換では、パルシステム千葉佐藤理事、コープみらい古賀理事、生活クラブ生協山本理事、千葉県高齢者生協花いちりん流山管理者の渡邉さんからそれぞれの生協の取り組みと木村先生への質問が出されました。木村先生は、報告へのコメントとして、「生協はきょうのテーマにふさわしい優れた活動を数多くおこなっているが、それらの取り組みを地域社会にどう広げていくかが今後の課題」と指摘されました。

 報告者からは、「団塊の世代の男性にどう参加してもらったらいいか」、「子育て中の女性と高齢者がコラボする方法は」、「協議会の運営を改善するための方法は」、「生協など民間団体が行政の事業に参加する場合のアドバイスは」などの質問が出されました。木村先生は、「団塊の世代はプライドが高いが頼まれるといやと言えない特徴がある」と会場の笑いを誘い、また、自らが実践してきた「高齢者が託児を引き受けて、子育て中の女性が講師をつとめる高齢者向けのスマホ教室」が様々な出会いの場に発展していった例、80代の高齢者が保育園のお昼寝時間に保母さんのお手伝いをして働いている例、市役所や社協の職員との協力の方法の例などをあげて、生協の活動にも役立つ多くのヒントといただきました。

 会場からは、「住んでいる地域とは別の地域で活動する場合のアドバイス」、「高齢者を介護する際の様々なリスクについての考え方」などの質問が出され、丁寧な回答をいただきました。

 最後のまとめの発言で木村先生は、「認知症の方をはじめとして、高齢者をありのままに理解し寄り添っていく社会、80代90代になっても生き生きと暮らせる社会づくりは、結局は将来の自分自身のためであること、できることを具体的に考えて小さなことからでも始めること、そうした社会を作っていくプロセスを子どもたちに見せていくことが大切だと訴えられました。

 参加者からは、「実践に裏付けられた、情熱的で分かりやすいお話に感動し、たくさんのヒントをもらった」、「会員生協からの報告も大変参考になった」といった感想が数多く寄せられました。


鳥羽会長よりあいさつ

木村清一先生の講演

各生協からの報告と意見交換会

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